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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第66章 真の鬼


「禰豆子さんの気配は、刻一刻と変化しています。仮に接触した事のある鬼がいたとしても、同じ個体だとは思えないはず。特殊な処置を施すか、人間と共に行動していない限り」

 胡蝶は椅子に掛け、額に手を当てた。

「竈門君は、隠と共に里へ向かって貰います。出来るだけ森⋯⋯暗がりを避けて。禰豆子さんは、愈史郎さんに託します。少し間を置いて。それから、隠には、不死川さんの血を、里から少し離れた場所に撒いて貰います。稀血を求めて、二体の鬼が、同じ場所へ入った所で、不審に思われないでしょう。里に鬼が迷い込んだ例は過去にもあります。⋯⋯これが、火憐さんの本当の考えです。加えて彼女は、盗聴についても気にしている。上弦の鬼に、その手の術が得意な者がいると、暗に警告してくださいました。時透君からも、鴉が来ましたが、やはり彼にも本当の事は喋っていない。今、あの子は精神的に限界に近い状態です。貴方は任務も無いのに、何故此処にいるんですか?」

「火憐に、お前を守れと言われた。恐らくお館様の意向でもある。胡蝶⋯⋯こんなことを伝えるのは、気が咎める。だが、これは、紛れもなく火憐が書いた物だ。あの娘は、わざわざ目に付く場所へ日記を置いて行った。この頁を読んでくれ」

「なんでしょう⋯⋯」

 ──胡蝶様が上弦ノ弍を討ってくださる事を切に願う。

 ──命懸けの行動は、それ自体に意味がある。命以上に尊い物が無いと思っている者にとっては、特に。

 ──命を懸けるということは、己の限界を示すことでもある。あの男は、こう考えるはず。

 ──現状、命懸けの毒が我々の知恵の限界である、と。

「なるほど。私も鬼舞辻を討つ事に貢献出来ると言うことですか。上弦ノ弍を討つ事に精一杯の私に、役割を与えてくれた⋯⋯」
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