第61章 立場※
「んっ!!」
彼女が痙攣したのを確認して、冨岡は唇を解放した。
「口吸いだけで、達したのか? まさか此処まで、俺好みの色狂いに育つとは思っていなかった」
冨岡も、これまで一切女性関係が無かったので、すぐに快楽を拾い、自分を求めて来る火憐に救われていた。
「義勇さん⋯⋯。はしたない女は嫌いですか?」
「嫌いだが、俺だけを求めるお前なら好きだ。他の男にそんな顔を見せるなよ。指一本触れさせるな。俺の事は、幾ら求めても良い。俺も幾ら求めても足りない」
冨岡は火憐を押し倒し、今度は半分だけ挿入すると、緩やかに腰を動かした。
「このまま、何度か出しても良いか?」
「は⋯⋯い⋯⋯。っ!!」
射精の衝撃で、火憐も小さく達した。
「義勇さん⋯⋯。それじゃあ、足りないでしょう? 私も⋯⋯足りない⋯⋯」
彼女の甘ったるい声が、冨岡の芯を熱くした。
「足りない。すまない!」
彼は一番奥深くまで、抉る様に貫くと、思い切り身体を振った。中が吸い付く様にうねるせいで、止めることが出来なかった。
「宇那手、大丈夫か? 達せるか? 情けないが⋯⋯っ⋯⋯俺はもう」
「い⋯⋯一緒に」
火憐は腕に力を入れて、冨岡を引き寄せた。
「ひゃああ!!」
彼女は、らしくない声を上げて弛緩した。冨岡は激しく息を荒げたまま、動けずにいた。
(このまま本当に孕んでしまえば良い。そうすれば、もう戦わせずに済む)
「義勇さん⋯⋯大丈夫ですか?」
火憐が、緩慢な動作で冨岡の髪を撫でた。彼はようやく我に返り、自身を抜いた。火憐の秘部からは白濁の液体がドロドロと溢れて来た。
「もう一度、風呂に浸かろう」
冨岡は気怠い身体を鼓舞して動かし、シーツの綺麗な部分で火憐の身体を可能な限り拭いてやった。
「後始末はしてやるから、一緒に風呂に入ってから、眠れ。袴と隊服の替えはあるか?」