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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第57章 家族の絆


「私の家系は、傍流とはいえ、産屋敷家と血の繋がりがあるのです」

 華が口火を切った。

「血筋が分かれたのは、もう千年前の事ですので、殆ど繋がりが無いと言えます。呪縛もありません。寧ろ私の家系は、異常な程身体の丈夫な子供が生まれるのです。恐らく神様は、産屋敷家には知恵を、私たちには、鬼に抗える強靭な肉体を与えたのです。しかし、鬼狩りになった先祖は一人もおりません。貴女が初めてです」

「そうでしたか。道理で死ににくいわけです」

 火憐は、特別驚く事も無く頷いた。もう散々驚愕に値する事象を体験し、感覚が麻痺しているのだ。

「神様に感謝しなければいけませんね。呪いが発動していないという事は、戦うために生かされている様な物です。私は使命を全うします」

「⋯⋯違います」

 華は、柱に抗うために、額に汗を浮かべていた。

「違います。貴女は戦うために生まれて来たわけではありません。一香はそんな思いで貴女を産んだわけでは無いんです! この家を出て、何にも縛られず、自由に生きる事を望んでいました! 貴女にも同じ様に生きて欲しかったはず!! 自由に、幸せに!!」

「私は、自由で、幸せです」

 火憐は、微笑んだ。

「家に縛られず、誰かの庇護を受けずとも、独りで生きて行けます。仕事さえしていれば、何処へでも行けます。でも、実は愛する人と同じ屋敷で過ごしていました」

「その人も、隊士なのですか?」

「柱です。父の首を、痛みの無い方法で斬ってくださった、恩人です」

 火憐は思い返して、クスクス笑ってしまった。

「とても頑固で、中々私の思いを受け入れてはくれませんでした。三日三晩、刀を持って追い掛け回してようやく」
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