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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第53章 真の目的


「下弦の十二鬼月を討った時!! お前は同期に殺されそうになっていた俺を救った!! 後から水柱が来て、お前はそいつに命令した!! きっと誰も見ていなかった!! だけど、単身鬼に斬り掛かって行ったお前は、確かに泣いていたんだ!! 何でだよって思ったよ!! 柱がいたのに、女の隊士が独りで!! 強くならなきゃ行けないって思った!! だから、顔も名前も知らない水柱の継子に師事しようと思ったら⋯⋯お前が出て来た。そして、あっと言う間に柱になっていた。どれだけ努力しても、天才には敵わない。俺が十努力したとしても、元々百を持っている人間には勝てない⋯⋯」

「なるほど。謎が解けました」

 火憐は、目にも止まらぬ速さで刀を佐伯の首に押し付けた。

「何故鴉が、鬼舞辻からの伝令を私に伝えたのか、疑問に思っていました。幸い賢い個体だった様で、複数の個体を経由して私の元へ来たので、位置の把握をされませんでしたが、半日で屋敷へ戻れる町へ、私は投げ出された。⋯⋯村田さん、甘露時さんと冨岡さんを呼んでください」

「はい!」

 察しの良い村田はすぐに駆け出した。他の隊士達も火憐を取り囲んで抜刀していた。

「貴方がまだ迷っている様で何よりです。ですが、鬼は貴方を待ってくれない。中途半端な状態で外へ出て、与する意思がないと知られれば、すぐに殺されるでしょう」

「宇那手、どう言う事だ」

 冨岡が刀に手を置いて、火憐と佐伯を交互に見た。

「元々この様な計画だったのです。並の隊士は、柱や産屋敷家と接触する機会が少ない。情報を得たい者なら、私に喰いついて来るだろう、と」

「恥晒しめ!!」

 浅井が怒鳴ったので、火憐は制した。

「今、この方の価値観は大きく揺らいでいます。私が対話を終えるまで、誰も口を開かず、動かぬ様に」
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