第48章 心の炎※
本棚に身体を押し付けられ、火憐は荒い呼吸を繰り返していた。絶対に声など漏らしたくは無かった。
「やはり、老化は劣化だ。お前の身体は皺一つ無い」
(さっさと離せ!! なんでこんな⋯⋯)
火憐は必死に涙を飲み込んだ。隊服が乱れ、胸には直に鬼舞辻の指が触れていた。爪を立てられても、殺されても堪らないので、逆らえない。
少しでも欲情したのなら、さっさとやる事をやって離せば良いのに、鬼舞辻は執拗に胸を弄り回した。冨岡に散々開発されたせいで、それだけでも床に染みが出来ていた。
「っ⋯⋯!」
「問題ない。声を出せ。この時間は、私のいる場に誰もいない」
鬼舞辻はとうとう火憐の下半身に手を伸ばし、濡れそぼった秘部に指を這わせた。
(何時⋯⋯やり方を覚えたのよ!! 人間だった頃?! 最近?!)
「あっ⋯⋯やっ」
火憐は屈辱に涙を溢しながら、啼いた。
「もう⋯⋯良いでしょう? 早く中に!」
「痩せているな。これで良く刀が振れた物だ。しかし、人間も、やはり進化をしているのか。千年前の女とは、身体の形が異なる。余計な部位が削ぎ落とされているとも言える」
(嗚呼⋯⋯そうか。人間だった頃に⋯⋯)
火憐は前屈みになり、自分で隊服の下のホックを外した。とにかく、早く行為を終わらせたかったのだ。
幸い、鬼舞辻は、童磨の様な異常な執着や性癖は見せず、黙って火憐を貫いた。
「あぁぁ!」
流石に、彼女も悲鳴を抑えられなかった。生理的な反応はあれど、中は濡れ切っていない。鬼舞辻に対する嫌悪感は、身体の無意識の反応を上回っていた。彼はお構い無しに、より確実に孕む様、一番深い場所の更に奥まで穿つ様に体を押し付けて来た。
「嫌っ⋯⋯」
其処を抉られては、取り返しの付かない事になる。
「やめてください! それ以上奥を突かれれば、二度と子供を産めなくなります!!」
「そうか」
鬼舞辻は短く答えると、抽送運動を早めた。物分かりが良い点は助かるが、余りの気持ち悪さに、火憐は吐き気をもよおした。