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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第47章 上弦集結


 琵琶の音が響き、鬼舞辻は姿を消した。童磨はニヤニヤ笑いながら玉壺に歩み寄った。

「玉壺殿! 情報とは何のことだ? 俺も一緒に行きたい! 教えてくれないか? この通り──」

 彼の首が吹き飛んだ。猗窩座が思い切り殴り付けたのだ。

「無惨様がお前に何か命じたか? 失せろ」

 彼は追撃を放とうとしたが、左腕が捥げていた。

「猗窩座」

(上弦の壱⋯⋯)

 火憐は、この中で一番静かな気配の鬼に目を向けた。目が六つもある事を除けば、彼も人間の姿に近い。

「お前は⋯⋯度が過ぎる⋯⋯」

 黒死牟の言葉に、火憐は心から同意した。

「良い、良い黒死牟殿。俺は何も気にしない」

「黙って」

 童磨に火憐が命じた。黒死牟は猗窩座のみに言葉を向けた。

「お前の為に言っているのでは無い⋯⋯。序列の乱れ⋯⋯ひいては、従属関係にひびが入ることを憂いているのだ。猗窩座よ⋯⋯気に食わぬのならば、入れ替わりの血戦を申し込むことだ⋯⋯」

「いやぁ、しかしだよ、黒死牟殿。申し込んだ所で猗窩座殿は我らに勝てまいが──」

「黙れと言ってんだろうが」

 火憐は、かつて無い口の悪さで遮った。刀は抜かなかったが、ありったけの嫌悪を込めて、童磨を睨んだ。

「お前の言葉は人の神経を逆撫でする。悪意が無いことは分かるけれど。⋯⋯心が無いのだから仕方無いけれど、私の血を飲みます? そして、力を欲する者の気持ちを理解すれば良い。私だってお前より下の数字なんか御免だ。無惨様に伝えてよ。お前の存在が、私を躊躇わせていると」

「酷いなあ! 俺はこの中で、一番君と仲良しだろう? 人間の夫婦らしい契りも──」

「猗窩座さん、黒死牟さん。童磨が不要になったら呼んでください。日輪刀で始末して差し上げます」

 火憐は、首を傾けてにこりと笑った。

「もし、私が不要とみなされた時には、童磨を殺す事を条件に、私を喰っても構いません」

 その言葉を聞き、猗窩座は目を背けた。
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