• テキストサイズ

【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第46章 弟子


(試してみるか。日の呼吸、壱ノ型、円舞!)

 村田と浅井を残して、他の隊士は隊服が破れ、心臓の真上に横一線の切り傷を負って吹っ飛んだ。

「どうしました? 攻撃しなければ、倒せませんよ?」

 火憐は、村田と浅井の実力を測るために挑発した。彼らは顔を見合わせ、まず、浅井が火憐に飛び掛かった。

「壱ノ型、水面斬り!」

 火憐は、その斬撃を上空に飛んで避けた。すかさず村田が前に出て刀を振るう。

「弐ノ型、水車!」

 縦方向からの攻撃は、火憐も受け止めざるを得なかった。しかし、やはり威力が弱過ぎる。

「水炎の呼吸、壱ノ型、水烈斬!」

 火憐渾身の技は、村田と浅井の刀を折ってしまった。二人はその場に膝を着き、降伏を示した。

「全員、お疲れ様」

 火憐は隊士一人一人を労い、立ち上がらせると怪我の程度を見た。

「では、皆さん、全集中の呼吸をしてください。そのまま自分の体に意識を集中させて。今回は外傷だから、血管の何処が出血しているか、感知しやすいと思います」

 全員、目を閉じて集中した。数秒経ってから、火憐は次の指示を出した。

「では、呼吸で出血を止めてください。血管に⋯⋯細い管に空気の手を通し、壊れている場所を塞ぐ様な感じに」

 皆苦戦していた。集中力が足りていないのだ。

 数十秒後、最初に成功したのは村田だった。

 一分も経つと、一番遅れていた佐伯も成功させた。火憐は、満足げに頷いた。

「もっと上手くなれば、戦いの最中に怪我の治療が出来ますし、頭を強く打った際、脳出血に気が付いて、命を落とさずに済むでしょう。流石に骨が折れたら繋ぎ合わせられませんので、無駄に怪我はしないでください。刀が折れた者と、隊服が破れた者は、すぐに鴉を飛ばしてください。それ以外の皆様は、少々お待ちを」
/ 766ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp