第44章 懲罰
「言っちゃったんですか?!」
胡蝶は机に手をつき、額に手を当てた。
「お願いですから、柱同士で殺し合いなんて起こさないでくださいね。残念ですけれど、火憐の気が変わる事は無いと思います」
「安心しろ。宇那手が自害したら、ただじゃあ済まされねえ。そのくらい弁えている」
不死川がそう答えた瞬間、火憐の悲鳴が響いた。
──もう⋯⋯許して!!
「おい、胡蝶!!」
「大丈夫ですよ。でも、興味はありますね。火憐さんが根を上げるくらい、冨岡さんは床上手なんでしょうか?」
「知るかァ!!」
不死川は、本気で怒鳴り返し、壁を殴り付けた。
「さっさと薬を渡せ!」
「落ち着いてください。貴方にも鎮静剤を打ちますよ」
胡蝶は丁寧に包んだ薬を不死川に手渡した。
「お館様に、くれぐれも宜しくお願いしますね」
「ああ」
不死川は、鬼の様な形相で病室を出て行った。胡蝶は深い溜息を吐いた。
「全く。痴情の縺れを人の屋敷に持ち込まないでいただきたい物ですね⋯⋯」