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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第42章 上弦の陸


「あ⋯⋯貴女は何者なの?! 遊女じゃないの?!」

「私は剣士です。鬼を狩る剣士」

「やっぱり!!」

 一人が異常に興奮し、声を裏返して叫んだ。

「やっぱり蕨姫は化け物だったんだ!! だからこの店の女は──」

「助かりたければ落ち着いて」

 火憐が制すると同時に、建物の壁が剥がれた。堕姫と、炭次郎が交戦している。

 火憐は、遊女全員を連れて、裏口から店を出ると、全員を遠くへ走らせた。自身は戦いを観察した。当然だが、階級の低い炭次郎は押されている。

(まだ⋯⋯今じゃ無い⋯⋯)

 待って、待って、ようやくその時が来た。堕姫が禰豆子を攻撃した。殺すつもりで。

「竈門君!!!」

 火憐は、拾壱ノ型、凪で彼を庇いながら叫んだ。

「禰豆子ちゃんを制御して!!」

「はい!!」

 彼は宇髄にも嫌味を言われ、子守唄でなんとか禰豆子を眠らせた。

「アンタ、やっぱり裏切ったのね!!」

 自身の首を抱えた状態で、堕姫が恨み言を吐いた。火憐は首を傾げた。

「おかしいですね? 私は無惨様から、禰豆子さんを殺さぬ様に指示されていたのですが。あの子は特別なので、無惨様本人が喰うと仰っていました。まさか、重要な情報を与えられていなかったのですか?」

「嘘よ!! 嘘!! うわぁぁぁん!! お兄ちゃん!! なんとかしてよ!!」

 彼女が泣き喚くと、その身体から、醜い男の鬼が姿を現した。

 彼は散々悪態を吐くと、強力な血鬼術を用いた。火憐は拾壱ノ型、凪で周囲の人間全員を庇ったが、堕姫が屋外に逃れた事で判断を迷った。

 その隙に、宇髄が毒を喰らってしまった。

「あの子達を追います。取り敢えず血清!」

 火憐は、宇髄の腕に注射針を刺し、解毒剤を打ち込んだ。そして、穴の開いた天井から屋根の上に出た。
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