第41章 遊郭潜入
罪を償った上で、健康な身体に生まれ変わって欲しかった。
鬼舞辻は、宇那手が鬼殺隊に入る前から、気配を殺す術を知っていた事に驚いた。
「火憐、お前は間違いなく天才だ。どの程度の力を持っているか、見定めさせて貰おう。堕姫に手こずる様ならば、二度と会話をする事はない。私はお前の全身から血を抜き、殺す」
「はい。承知いたしました」
宇那手は挑戦的に微笑んだ。鬼舞辻は、そのまま窓の外へ姿をくらました。
彼女は天敵を見送ってから、ぐったりと布団に横になった。手当てをしていない腕から、血が染み出し、布団を汚したが、気に留めている余裕も無かった。
もし、鬼舞辻の機嫌が最悪で、自分の血に価値が無ければ殺されていただろう。
(夢でも良い。望みを叶えて⋯⋯)
宇那手は、何処か遠くの街⋯⋯鬼の気配の無い街で、冨岡と静かに暮らす日常を思って瞼を閉じた。