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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第38章 継承


「鋼鐵塚さんです」

「あのクソ野郎か! 刀が折れる度に騒ぎやがる。テメェの技量不足を剣士のせいにしやがって!! 打てないなら、担当を変えると一筆添えてやる」

 宇髄はそう言い、刀を宇那手に返した。そして、嫁達にそうする様に彼女の頭をポンポンと撫でた。

「お前は良くやったよ。テメェの身体に合わない武器を渡され、至高の領域に辿り着いた。一昨日の件も。諜報が本業の俺の嫁たちよりも、良くやった。頑張ったな」

 それは、どんな慰めや、怒りの言葉よりも宇那手が欲しかった言葉だ。

「頑張り⋯⋯ました⋯⋯。堪えました⋯⋯。私⋯⋯負けませんでした。勇敢だったでしょうか?」

「ああ。勇敢で、強い心の持ち主だ。俺も認める。お前は柱に相応わしい力の持ち主だ。対等な存在だ。だがな、お前が後輩である事に変わりは無い。上弦の弐からは、必ず守ってやる。お前が鬼舞辻を殺せる可能性を信じて、命を懸けて守ってやるから、安心しろ。なぁ、不死川?」

「協力しよう」

 不死川も頷いた。

「胡蝶の仇でもある。上弦の弐には、誰も殺させない」

「俺も使え」

 人と関わりを持とうとしない冨岡が口を挟んだ。

「俺は宇那手より遥かに弱い。守るとは言えない。俺を道具として⋯⋯お前らが盾として扱え」

「ムカつくが、それは出来ねぇな」

 不死川は腕を組んで宇那手に視線をやった。彼女は口でなんと言おうと、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされれば、自分や他の柱より冨岡を優先するだろう。冨岡が死ぬくらいなら、自分が死ぬ道を選ぶはずだ。

「テメェはグダグタ余計な事を言うより、腕を上げろ! 技の威力、型の数が継子より劣ってるぞ!」

「師範の技の中で最も威力が高いのは、肆ノ型、打ち潮です。私もまだ敵わない⋯⋯。其処を鍛えてみてはどうでしょう?」

「おいおい、立場が入れ替わってんぞ」

 宇髄は溜息を溢した。彼はこれまで冨岡に興味が無かったし、彼が人と連まない理由を知ろうともしなかった。しかし、宇那手の命を優先するのなら、冨岡の存在をどうにかしなければならない。
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