第37章 理解
「ああ。だが、明日からだ。俺も刀を抜く事を禁じられている」
冨岡は小さく溜息を吐いて、宇那手の横に腰を下ろした。
「お前は強いのか、弱いのか分からん奴だな」
「強いですが、馬鹿なんですよ。貴方の事に関して。貴方だけは、特別なので」
宇那手は、冨岡の肩に頭を預けた。
「私、貴方を優先します。他の柱よりも、貴方を守るために、適切な動きをします。柱の最高戦力として、貴方達を守り抜きます。でも、まあ、その前に一仕事あるので⋯⋯」
彼女は立ち上がり、かつての師範に手を差し出した。
「実は炭次郎さん達をお呼びしています。鬼を倒す上でのコツをお伝えしようかと。恐らく冨岡さんにとっても有益な物です。参加されますか?」
「聞く」
冨岡は短く答え、宇那手の手を取った。