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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第36章 決意


「では、実弥に任せよう」

 産屋敷は納得し、柱達に顔を向けた。

「この先、今以上に辛く厳しい戦いが続くだろう。火憐の言葉を忘れないで欲しい。協力し合い、互いの能力を活かして戦えば、必ず鬼舞辻無惨をも倒すことが出来る。亡くなった者達の存在を無駄にせず、任務に邁進する様に」

 全員がハッキリと返事をし、頭を下げた。

「しのぶ。火憐の声が聞こえなかった。状況を教えておくれ」

 産屋敷は心から心配した表情で訊ねた。

「不死川さんに身体を預けて、眠っています。⋯⋯良かったです。通常、暴行された女性は、男性に触れられることさえ拒む様になるのですが、克服された様です」

 胡蝶は不死川から、宇那手の身体を引き受けた。

「どちらにお連れしましょう?」

「私の部屋に連れて来ておくれ。何も出来ないが、傍にいてやりたい」

「かしこまりました。冨岡さんも一緒で良いでしょうか?」

「勿論だ。皆も、今日は帰ってくれ。今夜は活動を禁止する。もう二度と、火憐の様な傷を負わせるわけには行かない。胸に留めておいておくれ。この子は、殺される以上の苦痛と引き換えに、情報を得て戻った。慎重に動く様に」

 産屋敷は、あまねに手を引かれて踵を返した。肺も胸も、呪いと精神的なものによって激しく痛んだ。しかし、それ以上に怒りを感じていた。これまで義務感と執念で鬼と戦って来たが、明確な憎しみと殺意を覚えていた。
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