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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第36章 決意


 改めて開かれた柱合会議で、これまでの宇那手の働きは、余さず正確に伝えられた。

 歴戦の柱達も何も言えず、煉獄の死について、宇那手を責める者もいなかった。

「火憐の働きで、吉原に上弦の鬼が巣食っている事は判明した。問題は、どう動くか、だね」

 産屋敷が問題を提示すると、宇髄は押し黙ってしまった。確かに三人の嫁を救出する事は最優先事項であったが、随伴出来る隊士がいない。

 宇那手は、鬼舞辻との取引上、ある条件を満たすまでは戦闘に加われない。かといって胡蝶や甘露寺を連れて行き、彼女らの能力を悟られても困る。

 遊郭に潜入するには、丁以上の女性隊士の助力が必須であったが、唯一の該当者は那田蜘蛛山で累の母役に殺されている。

「現状、二人の奥様と連絡が取れている様でしたら、動かないのも手かと思います」

 宇那手は、身体を壊しているとは思えない、明瞭な声で意見した。

「居場所を伝えた以上、今は向こうも警戒を強めているはず。下手に動き回り、無事な二人の奥様まで危険に曝しては、元も子もありません。少し時間をいただける様でしたら、私がお預かりしている女性隊士を鍛えます。戦いに参加出来ずとも、逃走出来る程度には出来ます」

「そうだね。火憐の言う通り、少し時を稼ごう。その間に、柱の皆も含めて、さらに技術を研鑽する様に。火憐は、しばらく此処にいて欲しい。鬼舞辻がお前を連れ去る可能性がある」

「いいえ。その点は問題無いかと」

 堂々と産屋敷の意見を否定した宇那手に、柱達は息を呑んだ。

「私は鬼舞辻に、可能性を提示したのです。人間と鬼の間に生まれた子の能力について。相手が私である必要はありません。鬼舞辻には、奥様がいますし、上弦の弐も周囲に人間を置いていました。私は屋敷へ戻り、自分の役割を果たします。ですが、念のため、師範⋯⋯冨岡さんとは、屋敷を分けていただきたいのです」
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