第32章 終炎
そんな穏やかな夜が更けて行った。
翌朝、宇那手は、村田と稽古を始め、冨岡は夜の任務の為に移動を開始した。
次の日も、その次の日も、同じ様に、穏やかな日常が続いて行った。
村田の刀の色はほんの少し濃くなり、技を使用する事で、僅かに水の気配を感じられる様になった。彼は一人で、ある程度の異能の鬼を殺せる様になった。
宇那手は、一度産屋敷に会いに行き、上弦ノ十二鬼月の動きについて意見をしたが、産屋敷が煉獄と炭次郎たちを任務に向かわせる考えを変えなかった。
そして、痛みや絶望は忘れた頃にやって来た。
煉獄と炭次郎たちは、無限列車の乗客を守り通したが、案の定上弦ノ十二鬼月が動き、炎柱は殉職した。
その知らせを、冨岡、宇那手、村田は明け方に聞き、其々の行動指針を決めた。