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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第27章 私事


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 柱と甲のいる屋敷。久し振りに、手放しの安心感を覚えた隊士達は、畳の上にゴロリと横になって、雑談をしていた。

 村田は一人、傷口を見詰めながら苦い表情をしていたが、他の男達は呑気なものだった。

「なあ、お前は何で此処に来たんだ?」

「浅草で、宇那手様に命を救われたので」

「俺は一年前に、下弦の十二鬼月と戦った時に助けられた。⋯⋯凄いよな。女の子なのに」

「自分は、最終戦別の時に、あの方に守られました。あの方は一人で、全ての鬼を斬ったんです。最初から、常人離れしていた⋯⋯」

「でも、水柱が継子を取るなんて」

 冨岡が寡黙であることは、周知の事実であった。

「まさか、ただならぬ関係にあったり⋯⋯」

「だとしてもお前には関係ないだろう!」

「ちょっと見て来る!」

 無謀にも、宇那手の同期は部屋を飛び出した。残された村田以外の三人は視線を交わしたが、結局好奇心が勝り、後を追った。

 宇那手の寝室は襖が全開になっていたが、一同は、とんでもない光景を目の当たりにした。

 水柱の冨岡が、文机に向かう継子を背後から抱きしめていたのだ。

「冨岡さん、邪魔です」

 宇那手は、苛々とした声色で文句を言った。

「離れてください。かえって時間が掛かります」

「お前とお館様はどういう関係なんだ?」

「友人です。そう話したでしょう。あまね様もご存知の通り。貴方が懸念している様な愛情はありません。良い加減にしてください。今晩、時間を差し上げると言ったはずです。⋯⋯まあ、私なんかに嫉妬してくださるのは嬉しいですが」

「随分と髪が伸びたな」

「切る機会が無かったので。邪魔なら切りましょうか?」

「そのままが良い」

 冨岡は、宇那手の髪の毛を指先に絡めて弄んだ。意外にも手入れに力を入れているらしく、艶があり、しなやかだ。
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