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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第25章 予想外※


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「何時だと思っているんですか!」

 胡蝶は怒り心頭で時計を指した。

「深夜一時です!! 遂に時計も読めなくなったんですか?!」

「お前がこいつに、妙な薬を渡したせいだろう!!」

 冨岡は、激昂した。胡蝶は、いまいち状況が掴めていない様子で、首を傾げた。

「そんなに効果があったんですか? 冨岡さん、やっぱりこの子のこと──」

「薬を飲んだのはこいつだ!! こいつは最初から、お前が何を渡したのか理解していた!! そんな物で得た愛情など意味が無いと言っていた!!」

「ええ?! 宇那手さんが?!」

 胡蝶は、血相を変えて宇那手の顔を覗き込んだ。今は顔色を失っている。呼吸は正常だが、苦痛に顔を歪めていた。

「一体何故?! 何故この子が飲んだんですか?!」

「鎮痛薬と間違えたと言っていた」

「まさか一瓶全部?! 此方へ!! 早く!!」

 胡蝶は踵を返し、二人を病室に招き入れた。

「残念ながら、解毒剤が無いのです。適量であれば、それほど強い薬では無いので。ですが宇那手さんの場合、通常の人間より鼓動が早い。あの薬は、血の巡りを良くし、鼓動を早める作用があるんです」

 彼女は湯呑みに水を注ぐと、ベッドに横たえられた宇那手を無理矢理起こし、鼻に気つけ薬を近付けた。

 かなり強烈な物のはずなのに、宇那手はゆっくり目を開いた。

「宇那手さん、とにかく水を飲んでください!! それから、呼吸を落ち着ける努力をして!! 心臓に負荷が掛かります!!」

 宇那手は水を飲み干し、口呼吸を繰り返した。

「⋯⋯薬による、欲求は治っていますね。他に気になる事があったのでは?」

 胡蝶は冨岡に訊ねた。冨岡は逡巡の後、素直に白状する事にした。

「随分激しく抱いてしまった。内臓が心配だ」

「っ!!」

 胡蝶は寸手の所で怒りを飲み込んだ。元はと言えば、自分の渡した薬が原因なのだ。宇那手が激しく冨岡を求めたことくらい、容易に察しがついた。彼女は、元々強い好意を抱いていたのだから。
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