第14章 一夜の過ち〜猿飛佐助〜
「証明、して欲しい?」
佐助くんは、そう言うと私の腰を引き寄せ、眼鏡を片手で外した。
その姿がかっこ良くて見惚れた。
「一夜の過ちだと思うなら、一夜にしなければ良いよ」
私に囁いて、ゆっくり顔を近づけてくる。
唇が触れそうになった時、私は聞いた。
「いいの?」
「いいよ」
優しい目をした佐助くんが私を見つめてくれる。
「私のこと、好き?」
「好きだよ」
「私も佐助くんが…」
好きと言おうとしたら、佐助くんが唇を重ねた。
「ずるい、言おうとしたのに」
「ごめん」
佐助くんは笑って言うと、また私に軽くキスをした。
「葉月さん、ありがとう。俺を選んでくれて」
そうして、また夜が更けていく……。