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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第14章 一夜の過ち〜猿飛佐助〜



「葉月?大丈夫?」
気づけば、家康が私の肩を支えてくれていた。
「大丈夫…ごめんね」
「顔、赤いけど?熱?」
違います、多分。
佐助くんを思い出して悶えていたとは…言えない。
「へ、平気」
「体調悪いなら、部屋に後で寄って。薬出すから」
家康が心配そうに顔を覗き込んでくれる。
「はい…わかりました」
「わかりましたってあんた」
「では、失礼します」
そう言って、私は去って行った。

「あの子、やっぱり変」
家康はふらふら歩きながら去っていく葉月を見ながら呟くと、「だな」と政宗の声がした。
「あいつ、今朝からずっとあんなだぜ?…しかも、なんか色気あるよな」
急な登場に、家康は少し呆れて政宗を見た。
「…本当によく見てますね」
「バーカ、俺は鼻が効くんだよ。あいつ、昨日はそんなことなかったのにな」
政宗は、怪しげに目を細める。
「昨夜、なんかあったな」




その頃、城下では…

「はぁ〜今日は暇だな。アイツも来ねーし」
幸村は伸びをしながら、佐助を見る。
「なあ、昨日会ったんだろ?今日、店に来いって言わなかったのかよ」
「あぁ…うん」
「は?どっちだよ」
「いや、言った」
「ふーん、ならこれから来るのかな」
幸村は何も気にせず、頭の後ろで腕を組んだ。
すると、佐助は口に手を当てたまま、考え込む。
「やっぱり、来ないと思う…」
「何で?お前、なんか言ったのか?」
「言っては…いないと思うけど」
「平気だろ、アイツお前に気があるし」
「え?なんでそう思うんだ?」
「そんなの、見りゃわかるって」
「いや、好かれてる自覚はあったけど…ただの友好的な感じかと」
「お前って…鈍いんだな」
幸村に笑われて、ムッとしても良いはずなのに、口角が勝手に上がってしまう。
葉月さんが俺を好き?!
信じられず、一人呆然としてしまう佐助であった。





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