第12章 続・見つめていたい〜明智光秀〜
「…で、それがどうした」
光秀さんに政宗から言われた話を伝えると、予想以上の冷たい返しが来た。
「酷いです…」
「何がだ」
「私、気にしてるのに」
「気にしてどうする」
「飽きられちゃうの、やです…私」
光秀さんは壁に寄りかかっていた姿勢を直し、私を見た。
溜息をつくと、政宗のやつ余計なことを…と呟く。
「それは政宗の意見だろう?」
「だって、光秀さんも毎日同じおかずだったら飽きますよね」
「何の話だ」
「光秀さんも甘々女子や辛口女子が恋しくなるかもしれないなんて嫌ですって話です」
「甘々女子?」
訳がわからんという顔を光秀さんはした。
「くだらないな」
「うっ!」
「そもそも、俺は食に関心がない」
「…あ」
そうだった。光秀さんは食に全然関心なかったんだった。
「女にも興味はない」
「…嘘!」
「嘘じゃない。お前以外の女はまるで興味はない」
益々嘘っぽい。疑わしい。
光秀さんが興味なくても、女の人から寄ってくるはずだもの。
「お前は知らないかもしれないが、俺は女という女を死ぬほど相手してきたんだ…。少しは信じろ」
「いろいろ女性を見てきて…私?」
「あぁ」
「…光秀さん」
「なんだ」
「どこかおかしいんじゃ?」
「…失礼なやつだな、お前は」