第11章 見つめていたい〜明智光秀〜
あれから光秀さんは、みんなの前になると徐に首を捻ったり、肩を回したりする。
私は、その度に気になって光秀さんの部屋に行くと
「いや、今日は肩が痛いな」
「今日は腕が…」
と言うので、マッサージするという変な習慣が出来てしまった。
「光秀さん、全然凝ってませんよ?…また騙しましたね」
「いや、お前が触ったから治ったんだ」
「じゃあ、帰ります」
「…お前も言うようになったな。帰れると思うか?」
「…思いません」
「次はお前の番だ。横になれ」
「やだ、光秀さんのは違うもん」
「なんだ?あんなに悦んでいたのに?」
「もうっ言い方…!」
「さて、何処から解してやろうか?」
光秀さんは笑みを深くすると、私を膝の上に乗せた。
「や、やらしいです…この格好」
「なんだ。いやらしいことがしたいならそう言え」
「ち、違いますよ」
「どうかな?」
そう言って、私にキスをする。
光秀さんにキスされるとおかしくなる。
麻薬でも入っているのではないだろうか。
私から強請ってしまう。
「もっと…光秀さん…」
「やっとやる気になったか」
そう言うと、私を滅茶苦茶にしていくこの人は、甘くていつも切なくさせる。
「大好き…」
見つめるだけで良かったのに
私はもうあなたなしでは、生きていけない。