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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第11章 見つめていたい〜明智光秀〜



「俺が絆され過ぎたのかもな…。これで、仕事に支障をきたすのは、困るな」
「支障?」

私が顔を上げてそう聞き返すと、光秀さんの優しい顔がそこにあった。

「葉月、前から聞きたかったんだが…みんながいる前では俺に話しかけて来ないのは、なぜだ?」
「恥ずかしいからです。みんなの視線があって」

「そうか。だから、二人の時は積極的なんだな」
「私、積極的ですか?」
そう言う私に、光秀さんはちょっと笑う。

「意識してなかったのか?」
「…意識してなかったです」

「そのくせ、俺のことをよくわかってくれている。俺の身体のことも気遣ってくれる…お前は凄いな」
「お前と時間が唯一、俺の安らげる時間だ」

「本当ですか?」
「なんだ?信じてないのか?」
「だって、光秀さん優しいから…」
「優しいからそう言っていると?」
「はい」

「お前くらいだな。俺を優しいなんて言うやつは」
「そんなこと、ないです。みんな口に出さないだけで…」
「いや、…お前だけがそう思ってくれたら、それで良い」
光秀さんが私の涙を拭い、笑う。


「もう、口づけして良いか?」
「狡いです。そんな風に言われたら、断れません」

「知らなかったのか?俺は狡いんだ。諦めるんだな」

そう言って、私の顎を掴むとゆっくり口づけをする。
光秀さんの唇は柔らかい。

「…これ以上すると、お前の信頼を失いそうだが。どうする?」
唇が触れるか触れないかの距離で聞かれる。

「いつも俺ばかりが気持ちいい思いをして悪いからな。お前を気持ちよくしてやろうか?」
「なんかいやらしいです、言い方が」
「俺は身体を解してやるだけだが?」
「嘘だ…」
「今日はお前が横になれ。今までの礼をたっぷりしてやる」
「光秀さん、目が…怖いです…」
「悪いな。もう"優しい光秀さん"はいないぞ」

「早くお前に食らいつきたいんだ」

私を見る目が爛々と光っている。
獲物を逃がさない狼みたいだ。
そう思ったのも一瞬で、光秀さんは私を褥に運んでしまった。
光秀さんはたくさん私に卑猥な言葉を浴びせ、悦び、解し、溶かしてしまう。
私がどんなに降参しても許してくれなかった。

「もう、ダメです…。光秀さ…」
「もっと、おかしくなれ…葉月」


いやらし過ぎて私は壊れてしまいそう。
あなたは本当に…。
どこまでも優しくて狡い人です。



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