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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第11章 見つめていたい〜明智光秀〜




どうしてこの人は、こんなにも私の心を掴んで離さないんだろう…。
出会った時からあの人が好きで

ずっと

ずっと


私はあなたを見つめていたいんです。




光秀さんが疲れている。
私は後ろ姿でわかる。
信長様に報告する時や夕餉の時は変わらないままだけど、私にはわかってしまう。
でも、光秀さんはいつも通りに振る舞う。
それが光秀さんの気遣いだとわかる。
だから、私も何も言わずにいよう。
でも、とても心配だった。

みんながいる時はどうしても声を掛けられない。
私は、見つめることしか。

何か、私に出来ることはないだろうか。



自室に戻っても、光秀さんが心配で…。

「よし!」

勇気を出して、光秀さんの部屋に行ってみよう。
もしかしたら、迷惑かもしれないけれど、
少しでも光秀さんが元気になるなら、何かしたかった。

光秀さんの部屋の前に着くと、
「あの…光秀さん…」
遠慮がちに声を掛けた。

すると、暫くして光秀さんが顔を出した。

「どうした?」

光秀さんの顔色が少し、いつもより青白い。
あ…やっぱり疲れている。
大丈夫だろうか。
具合が悪かったらどうしよう。

「光秀さん…元気ですか?」
「なんだ、急に」
「いえ、ちょっと失礼します」

光秀さんはちょっと身を引いた。
私はそんなことはお構いなしに、背伸びをして光秀さんのおでこに手を伸ばした。
熱は…ないな。
良かった。
ただの疲労かな。

きっとこの人は、毎日外で戦っているんだ。
私が知らない所で。

それなのに疲れを見せないこの人が、やっぱり好きだと思う。
私が、少しでも楽にさせてあげたい。
そうだ!マッサージしてあげよう。

「どうした?」
「あ、すみません。熱はないようで良かったです。
あの…私…身体をほぐすの、得意なんです」
「……」
「お疲れのようですし、ちょっとやっても良いですか?」

私はもう半分告白のような気持ちで、光秀さんの返事を待った。
静かに私を見つめる、この人の視線が怖い。
ちょっと図々しかったかもしれない。
もし、迷惑そうだったらすぐに退散しよう。

下を向いて自分の手を握りしめる。
すると、上から声がした。



「実は、少し疲れているんだ…やって貰えたら助かる」



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