• テキストサイズ

イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第85章 恋だと気づく瞬間〜明智光秀〜



「何隠してんだよ。赤くなってる顔を見せろ」
「なってないもん」
「お前、あんなに光秀のこと嫌がってたくせに…。いなくなった途端、あいつを恋しがるなんて可愛いとこあんだな」
「違うよ。違うの…。でも…」
「でも?何だよ。何かあったのか?」
「………三成くんが…」
「三成が、どうかしたのか?」
「光秀さんが三成くんに頼んでいたらしいの、私のこと。だから、わざわざ勉強を教えてくれたり、世話をしてくれて…」
「へえ。三成、教えるの上手いだろ?」
「……うん、すごく…」
「なんだ?じゃあ何が不満なんだよ」
「不満なんかないよ。三成くんは優しいし、意地悪言ったり揶揄ったりしない…不安になるようなこと、私に言ったりしない…」
「お前…」
「『また明日』って言った次の日に居なくなったりしない。何も言わずに私の目の前から消えたりなんて、しない…」

私が目を伏せながら、そう言うと政宗の手がバサッと私の頭に落ちてきた。

「……比べちゃうのか、あいつと」

私は無言で頷いた。

絶対良いのに、三成くんの方が。
それなのに『もし、光秀さんだったら…』って考えちゃう自分がいる。
それがどうしようもなく好きという感覚だと、自分でもわかった。

政宗の言う通り。
私は光秀さんを恋しがっている。

光秀さんの声が聞きたい。
顔が見たい。
別に話が出来なくてもいい。
彼の存在を確認したい。

何より、ちゃんと生きているか知りたいの。
それがわからないと不安で仕方ない。
でも、私にはそれを知る方法が人づてしかないのもわかっている。
恋仲ではないから、知る権利すらないのだ。


/ 462ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp