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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第79章 満月には、ありのままの気持ちを…〜明智光秀〜




光秀さんは感情をあまり表に出さない。
だから、私からの手紙が嬉しかったのかどうかもわからなかった。
その時を思い出しても、光秀さんの声が冷静だったことや私を揶揄うくらい余裕なことしか記憶になくて…。

しかも、予想通り…というとかなり虚しいのだが、光秀さんはなかなか返事をくれなかった。
忙しいのだろうか?と初めは思った。

でも、そんな話は聞かないし…。
急ぎの仕事もないはずなのに。
毎日毎日待っているうちに、私は気づいた。

…これは…


「……絶対、私の反応を楽しんでいるんだ」

私はそう確信して、部屋で一人呟いた。


私がソワソワしながら光秀さんの側に近づくと、流し目で私を見ながら「どうした?」と毎回聞いてくる。

まるで身に覚えがないかのように!、だ。

もう!
もう、もうっ!

私は拳で自分の太ももを叩きながら、行き場のない想いを募らせる。


そうだ。
光秀さんはそういう人だった。
とことん私を玩具にして楽しむ人だった。


「〜〜っとに、意地悪なんだから」

でも、嫌じゃない。
なんなら、ちょっと嬉しい。
だって、それくらいには私を意識してくれてるってことでしょ?
本当なら、すぐ返事を返すような方だから。
わかっていて敢えてそうやっているのだと思うの。

あの光秀さんのことだもん。
忘れてるってことはないだろう。


…はっ。
もしかしたら…
私があまりにもどうでも良い存在過ぎて、後回しにされてるとか?!




「…あり得る」

「ー…何があり得るのだ?葉月」

急に後ろから声がして、私は驚いた。






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