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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第73章 甘えるならこんな風に〜徳川家康〜




「い、家康…?」

どうして私を見つめるの?

そんな真剣な顔で
熱い眼差しで。

…まるで、私が欲しいみたいに。

強く握られた手から、熱を感じる。


私のこと

好きって



少しは想ってくれてるの?



「家康、私ね…ずっと家康と話したかったの。楽しいことがあるのと、いつも家康のこと思い出してた。必要以上に話しかけないって言っておいて、勝手だけど…私…」
「いいよ、もう」
「え?」
「…いいよって言ったんだよ。俺もちょっと意地悪したから。葉月を傷つけて悪かったよ。ごめん」

ごめん?
家康がごめんって言った?

あの素直じゃない家康が
天邪鬼な家康が…?

「……何?」

私が驚いて固まると、家康が眉を寄せて私を見た。

「え、いや…ごめんって聞こえた気がして」
「ごめんって言ったけど?」
「なんで?」
「なんでって何?」
「家康も光秀さんも今日は変だね」
「…何でそこに光秀さんが出てくんの?」

明らかに不機嫌になる家康の様子を感じ、私は口元を抑えた。
笑ってしまいそうだったから。

そうか。
家康は私の前だと、こんなに素直な感情を見せてくれていたんだね。

「安心して。私は家康だけだよ?」
「…なっ」

赤らむ家康が愛おしい。
私は思わず抱きしめていた。

ごめんね、家康…

気づかなくて、ごめんね。



「…好きよ、家康」


どんなあなたも受け止めてあげられるくらい、私がもっと成長するから。
私があなたがいないとダメなんだ。

だから…


「一緒にいよう?」

そう呟いた私の言葉に、抱きしめた腕の中で家康が小さく頷いたのを感じ、胸がキューンとなった。

こんなに愛おしい気持ちを初めて味わった。
出来る限りの愛で包んであげたい…
そう、強く思った。


本当だ。
私は甘やかす方が好きみたいだ。
愛を与えられることに喜びを感じてる。

「…もう勝手に俺から離れたら許さないから」
「うん、ごめんね」

こんなに可愛い家康を大事にしよう。
私ができる全てを懸けて…










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