第72章 ヤキモチ〜伊達政宗〜
「葉月には綺麗な女に見えたのかも知れねーけど」
「…けど?」
「ー…俺はお前にしか興味ねぇよ」
ドッキンと胸が大きく音を立てた。
口の中が急激に水分を無くし、渇いていく。
政宗の視線が私を掴み、離そうとしない。
政宗の低めな声が、まだ私の中で木霊する。
お前にしか興味ない
お前にしか興味ない…
ドキドキして苦しい。
もう、立っていられない。
「政宗、あの…私…」
「お前ってそんな可愛いヤキモチ妬くのかよ?」
「だって…」
「やべぇな、やっぱり襲っちまうな」
言うや否や、政宗は私の唇に食い付いた。
好きも
愛してるも
言わせてくれない。
政宗は、もう…
私に何も言わせてくれなかった。
廊下で、人目も憚らずキスをする政宗は…
やっぱり私の想像通り。
どこまでも雄で
かっこ良くて
苦しいくらい、キスが上手で…
私の心をまた持っていった。
そして、心も身体も彼は離してはくれなかった…