• テキストサイズ

イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第61章 続・ある春の日に〜織田信長〜



慣れているな…

褥に寝かされながらも冷静にそう思った。

夜伽を拒まれたのも
こうやって時間をかけて口説いたのも

信長様には珍しいのだろう

…だからこそ、私はこうやって毎晩呼ばれていたのだ。

手に入れた途端、冷静になるくせに。
いつの時代も、
割りを食うのは女なのだ。

あなたたちは、手に入れるまで優しくして
飽きたら見向きもしないくせに。

また新しい獲物を追いかけるくせに…


「葉月、なぜそんな悲しそうな顔をする」
「そんなことないですよ?」

そうは思っていても、信長様はやはり可愛い。
時折、寂しげに伏せる目も二人きりの時は甘えて私に触れたがる所も…愛おしく想う。

すぐ心配そうに私を見つめる目も、余計なことは言わず閉ざす口元も。
全て好ましい。


「もっと触れたい…良いか?葉月」

私の返事を待たずして、信長様が私の帯に手をかける。

「あ…っ、待って」
「もう随分と待った。もうこれ以上は待てん」
「恥ずかしいですから…っ」
「俺しか見ておらん」

それが無理だって言っているのに…。

ひゅるひゅると帯を取られ、身包みを剥がされる。
精一杯の抵抗も虚しく、両手首を固定されてしまった。

「想像以上に美しいな…葉月」

うっとりとそう言われ、みるみる顔が…身体が…赤くなっていく。
そんな言葉を恥じらいもなく言われ、私の方が恥ずかしくなる。


/ 462ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp