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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第4章 キスから始まる〜石田三成〜



ゆっくり唇を離して、三成くんが微笑む。
「本当に困った方ですね」
目の奥が一瞬光り、私を捕らえた。
いつもの微笑みのはずなのに、別人のようで怖くなる。
「三成くん…?」
 
「キス…というのは、口づけのことでしたよね?止めないと、キスをするのではなかったのですか?」

「あの、それは…」
「待ってもならさないので、私からしてしまいました」
「いけませんでしたか?」

いつもの笑顔で聞かれ、私は混乱する。
「私が言ったこと、聴こえてたの?」
「ええ、もちろんです」
「いつも反応ないのに…どうして?」
「さて、どうしてでしょう?」
甘く微笑むと、三成くんは私の髪を耳にかける。

「み、三成くん。離してくれない?」
「あぁ、誠に申し訳ありません。…ですが、出来ない相談です。私の手が離れようとしてくれませんので」

三成くん、本当にどうしちゃったの?
「具合でも悪い…?」
「そうですね…。具合、悪いかもしれません」
「病にかかってしまったようです。」
「治して、いただけませんか?」

そう言って、首筋に唇を当てる。
「あっ…」
思わず声が漏れると、三成くんが人差し指を唇に当てる。
「いけません、そんな声を出したら…。キスだけで済まなくなってしまいますよ?」
「それとも、その先をご希望ですか?」
この人は、優しく言っているようで、私を逃げきれない所まで追い詰めいく。
何もかも計算されているのかもしれない、そう思った。

私は何も言えず、三成くんの着物をそっと掴んだ。
まだイエスともノーとも言えない。
ただ…この先を期待してしまう。

三成くんはふっと笑うと
「承知致しました。嫌な時は止めて下さいね」
そう言って、私の着物の間に手を差し込み、下に引いた。
私の着物が緩む。
露わになった胸元に三成くんが顔を埋め、優しく唇を落とす。
三成くんのサラサラした髪が鎖骨を擽る。
そんな綺麗な目で見られたら…

「や、やっばり…ダメ。恥ずかしくて…」
「お願い、やめて?」
涙目で訴える。

三成くんが苦しげな表情をして、私から目線を外す。
「…大変、申し上げ難いのですが、こちらも事情が変わってしまいました」
「そんなに可愛いお顔をされたら、もう止まりません」
 
「やっ!三成く…」
もう野獣と化した彼には届かない。



私はその日、深く深くどこまでも熱く愛されたのだった。






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