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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第4章 キスから始まる〜石田三成〜



本を読んでいる涼しげな目、落ち着いた物腰、優しい微笑み。
どれも気に入っているけれど、見たことのない表情が見てみたい。
私しか知らない表情を引き出してみたい。
そんな、ちょっとした好奇心だった。

「葉月様、お止め下さい」
一瞬頬が赤くなる。
それが見たかった。
私は三成くんに背中から近づいて、耳元で息を吹きかけたのだ。
その反応が堪らなかった。
私、結構いじめっ子なのかも。
最近、三成くんを見ると、何かちょっかい出したくなって仕方ない。
膝カックンしたり、くすぐったり…あまりの幼稚な振る舞いに秀吉さんには眉をしかめられている。
でも、気にしない。
三成くんは許してくれるし、何よりいつもと違う反応が面白かった。

「本当に困ったお方です」
そう言って、いつも笑って許してくれるから。
三成くんは私のオアシスだった。
何をしても何を言っても、私を肯定してくれる。
だからかな…ちょっと困らせてみたい。
そんな意地悪心に火がついたのかも。



私の今、一番興味あるのは、読書中にどうやって三成くんに邪魔するかだった。
未だに気付いて貰えない。

座って本を読んでいる三成くんの側に腰掛ける。
私は、また耳元に息を吹きかけ、「三成くん」と囁いた。
反応はない。

次は、ギリギリまで顔を近づけて…
ちょっと考えた後、

「止めないとキスしちゃうぞ」

と言ってみた。
…反応がない。
暫く顔を近づけて待ってみても反応がなかったので、つまんなくなり溜息を吐くと

「…?!」

頭を押さえつけられ、その場から離れられない。
三成くんが私の頭を掴み、強引にキスをしてきた。
私は不意打ちと驚きで声も出ない。
激しい口づけに息が出来なくて、苦しくなり顔が歪む。

すると、三成くんは唇を離して
「さぁ、息をして下さい」
そう言って私の背中を摩る。
私は言われた通りに深呼吸をしようとすると、
また三成くんが深く口づけてきた。
 
「んんんっ!」

三成くんは、私の腰にも手を回し、離そうとしてくれない。
更に口づけが深くなった。
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