第3章 貴方に触れたくて〜徳川家康〜
あれから何時間経っただろうか。
そっと起こさないように、髪の毛を優しく触る。
やっと家康のこの髪に触れられた。
思っていたより柔らかくて気持ちいい。
長い睫毛を閉じてくうくう寝ている家康…。
本当に
「可愛いなぁ」
私、家康を守ってあげたいな。
私のできる限りの力で。
一緒に生きていきたいな。
「家康…だーいすき」
そう言って、頬に口づけをした。
次の日、朝餉を食べながら家康を見た。
かっ…かっこいいよぉ。
朝餉を食べる姿がもう素敵過ぎる。
家康ってこんなにかっこ良かったっけ?
見ているだけで胸がときめく。
昨日の家康、凄かったなぁ。
最中にあんなに愛の言葉を囁かれるなんて…。
あ、思い出してきたら恥ずかしくなってきた。
「ほーお、そんなに良かったか、あいつとは」
「ま、政宗!」
「まあ、お盛んで」
「…聞こえたの?」
「いや、察しただけ。だって、お前。家康を見る目が甘々で、溶けてるぜ?」
「良かったな、お前ら」
政宗がニヤリと笑って、そう囁いた。
顔を赤らめて前を向くと
家康と目が合った。
優しく微笑まれ、私も微笑み返す。
家康、私どうしよう…
こんなにハマると思わなかった…。
目が合うだけで、胸が熱くなってしまう。
私…。
ーーー…また貴方に触れたい。