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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第56章 先生と私(現パロ)〜武田信玄〜



夕方、日が延びて来たからまだ明るい。
私たちは駅に向かって歩いていた。

「ちゃんと帰れる?」
「…私、小学生じゃありませんよ?」
「そうだったね。心配し過ぎかな」
「はい、そうですよ。電車くらい一人で乗れますから」

私がむくれると、先生は困ったように笑う。
好きでした、その笑顔が。

私も笑うと、先生がまた眉を下げる。

「…今日はスカートだったんだね」
「そうですよ。可愛いですか?」
「あぁ。いつもと雰囲気が違うから驚いたよ」
「えへへ。お洒落してきました〜」

私がちょっとスカートをつまんでポーズをとると、先生が黙った。
どうしたのかな?
私が不思議に思って顔を見上げると、ちょっと頬が染まっているように見えた。

「…先生?」
「いや、可愛いよ。本当に。おじさんには刺激が強めだけど」
「先生はおじさんじゃないですよ?」
「未成年からしたら、成人した大人は皆おじさんだろう?」
「そんなこと、ないです」
「葉月…?」
「…そんなこと」

そうやって、すぐ壁を作るんだから。
こんな年齢なんて、お爺さんとお婆さんくらいになったらたいして変わらないはずなのに。
今はすごく大きい差に思えてしまう。

そうだよね。
私はまだ未成年。
お酒だって飲めないし。
これからだって、まだまだ学生時代が続くんだ。
先生とは違う。

でも…

「恋するのに、年齢は関係ありません。ですよね?信玄さん」

女の子の方が成長するのも、大人になるのも早いんですよ?
あっという間に追いついてみせます。

「…また、逢って下さいね」

私はそっと先生の左手の薬指を触った。
この指にいつか、お揃いのモノをはめたいな。
長期戦でいきます、私。

私は先生の目を見つめた。

私がただの年上への憧れではなく、本気であなたが好きだって
いつかわかってもらえるように。

ー…私、一度好きになるとしつこいんですから。


「ね、センセ?」




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