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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第3章 貴方に触れたくて〜徳川家康〜




安土城に着き、家康は部屋に入っていく。

私は立ちすくみ、
「もう、入っても良いの?」
と恐る恐る聞きながら、ゆっくり部屋に入る。

家康は壁に寄りかかって腕を組むと、
「だから言ったでしょ?下心だって」
と、言った。
「うん…ごめん」
私は謝るしかなかった。

「秀吉さん、肝心な時に話し込んでるしさ」
「そうだったんだ…。え?知ってたの?」

「秀吉さん、声が大きいもん。丸聞こえ」
「…あんたの声もね」

家康は横を向き、髪をかき上げて、大きく息を吐いた。
そして気を取り直したように私を見て言った。
「いいよ、別に。なんとも思われてないのは知ってるし」

「家康…あの…」
「何?」
苛立ちながら返事をする家康に、私は家康の袖をそっと掴んでこっそり言った。


「私がもし…家康と恋仲になりたいって言ったら…」

「どう、する?」


こ、こんな言い方しか出来ない。
何でもっと素直に言えないのだろうか。 
驚いた顔でこっちを見ているのを感じ、言ったことを後悔し始めた時、家康が口を開いた。
「あんたって、それ計算して言ってんの?
それとも天然?」

私は恥ずかしさでいっぱいになり、

「考えといてね!」
と急いで立ち去ろうとすると、


「考えない」
そう言って、家康が私の腕を掴んだ。


「考えなくても答えは出てる」


「ごめん、さっきのは嫌味で言ったんじゃない」
「言い方があんまり可愛くて驚いて…」




「もう一回、こっち向いて言って?」




私は目を丸くした。
家康がおねだりするのを初めて聞いた。
家康の方がずっと可愛いじゃないか。
やだ。
余計に言いたくない。


「や、やだよ…恥ずかしいもん」


「へぇ…俺のこと、好きなんだ?」
「なっ…」



「じゃぁ、もっと恥ずかしいこと、する?」






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