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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第51章 約束〜明智光秀〜




私の言葉に、光秀さんの口元が愉しげに上がった。

「なぜだ。俺が好きなんだろう?五百年後もずっと…」
「そんなこと言ってません、私」
「そうだな。言ってはいないな」
「…っ!もしかして見たんですか?!」


私は嫌な予感がして叫ぶ。
私の作ったお守りの中に秘めた想いをしたためたのだ。
まさか、それを光秀さんに見られるとは思わなかった。


「見られたくないなら、俺に渡すな」
「お守りの中は見ちゃダメなんですよっ!」
「…そんなことは知らんな」
「バチが当たるって祖母が…」
「そんなもの、気にしたことがない」
「そ、そうでしょうでしょうけれど…」


私は急に恥ずかしくなり、顔を隠して俯いた。

「…此方を向け、葉月。お前を手に入れられるなら、俺は仏にも信長様にも背を向けたって構わない」

心臓がドキドキと音を立てて、隠していた手が震えた。

「ずるいです…光秀さん」
「そんな俺が好きなんだろう?」

ずるい。
本当にずるい。


「悪かったな、言葉足らずで。俺にはお前が必要なんだ、葉月。側にいてくれ」


そう言って、懐からお守りを出して見せてくれた。
使い込まれているように、それは薄汚れていた。

「こんな物を渡されて、お前を忘れられると思うか?」


覆っていた手の隙間から、涙がこぼれ落ちていく。
そんな私の涙を、光秀さんの手が受け止めてくれた。




「ー…約束しよう。ずっとお前を愛すると…」



そう光秀さんが二度目の約束を口にして…





《約束》終わり
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