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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第51章 約束〜明智光秀〜




「ねえ、葉月様。お酒呑んでる?」
「…えっ、呑んでないよ。まだ昼間だし」
「あれぇ?おかしいな」
「私…顔が赤らんでる?」
「ううん。色っぽいから、最近葉月様…どうしたの?」

城下で二人団子をたべながら、蘭丸くんに急にそんなことを言われ照れてしまう。

あれから光秀さんはめっきり城には現れなくなった。
寂しいけれど私は隠すのが下手だから、ほっとする部分もある。


「なんでも…ない、よ」
「怪しいなぁ、葉月様。ま、いっか」

ちょっと私を揶揄いの含んだ目で見ると、ぽつりと蘭丸くんが言った。

「…でも、何かあったら話してね。俺は葉月様の味方だから」
「何かって…?」
「なんでも。葉月様、悩みを溜め込むように見えるからさ」
「ありがとう、蘭丸くん」


蘭丸くんは優しい。
一緒にいると、心が暖かくなる。
蘭丸くんみたいに気遣える人間なら、光秀さんのことを少しは癒せるのだろうか。


ー…褥で見せる光秀さんは、何かを諦めているようなどこか遠い目をしている。
この世に何も未練など無さそうで、怖くなる。
だから、抱きしめてあなたが必要だと伝えたくなる。
生きて欲しい、ずっとこれからも。
裏切り者として後々名を残すあなたが、いつ誰に疑われるかわからないから。


私に力があれば。
蘭丸くんみたいな深い優しさがあれば。


光秀さんをもっと救えるのかな…。


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