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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第3章 貴方に触れたくて〜徳川家康〜



私は、家康のあの柔らかい猫っ毛の髪が好きだ。
風に揺れるとふわふわして、一度でいいから触ってみたい。
懐かない小動物のような彼に、それをしたら嫌がられるとわかっているので、出来ないのがもどかしかった。

私は一目見た時から、家康に好感を持っていた。
私の知っている歴史上の徳川家康とはだいぶ違うビジュアルの徳川家康を前にして、私は感動した。

「弱そうなやつ」

そう言われた時もごもっともって感じたし、この人は嘘をつかないだろう…直感でそう思った。





「ねぇ、家康?」
「何?」
にこにこと家康の顔を見る
それが、今はこんなに仲良くなれるなんて…

秀吉さんにアドバイス貰って良かったな。





「ーー………友達を作る方法?」

「そうだな」
「まず、初めて会った時の直感は大事だ」
「見た感じや雰囲気で"ん?"と感じる奴はある程度仲良くはなっても、やっぱりそれ以上にはならない。
あ、合いそうだな。好ましいなと思った相手は大体仲良くなれるし、進展する。」
経験値が違うのだろう。秀吉さんの説明は説得力があった。

「みんなと話している時は話が合っても、二人きりで話したら意外と違った…とかは?」私は思わず質問した。

「ないな。話したらわかるもんだ。その人の人となりが」
ハッキリとそう言う秀吉さんに、私は深く頷いた。

「ふぅん…話したことない人や共通の話題がなくても、誰とでも仲良くなれるもんね、秀吉さんは。本当に凄いね」
きっと現代にいても、凄腕の営業マンになっていただろう。
その感じの良さやルックスも含めて。

「まあ…そんなことはないが」
秀吉さんは、頭をぽりぽりと掻きながら照れ臭そうにする。

「あと、もう一つ」
「褒める!」
「効いてなさそうに見えても、意外と効いてくる。じわじわとな」
さ、流石は人たらし!

「良い所は素直に褒めて、こっちから近づいてごらん」
「案外、すぐ仲良くなれるもんさ」


本当にその通りだったのだ。
家康に毎日話しかけ、良いと思った所は褒め、ありのままの自分で接したらあっという間だった。

家康は想像よりずっと優しかった。
薬草のことを聞いても、めんどくさそうにしながらも丁寧に答えてくれるし、個人的なことを聞いても答えられる範囲でちゃんと答えてくれた。


家康は、私の思っていた以上の人だった。
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