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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第47章 甘えたがり〜前田慶次〜




全く、こいつは。
溜め息を吐きながら、俺も胡座をかいて座る。

そんな頭痛するまで頑張るなんて。
まあ、それが葉月の良い所だ。
何事にも全力で、頑張り屋で…要領が異常に悪い。
まあ、器用じゃないのだろう。

そこがまた可愛い。

俺の手で掴む葉月の肩は驚くほど小さかった。
力を入れてやると、葉月の肩が上がる。


「あの。やや弱めでお願いします」
「てめぇ。やってもらっておいてなぁ…」
「なに?」
「…いや、なんでもねぇ」


コイツには敵わない。
なぜか従ってしまう。
惚れた弱みってヤツだな、きっと。

ゆっくり優しく揉むと、葉月の身体が左右に揺れる。


「ふぇ〜、気持ちいい〜」
「お前、身体ぐにゃぐにゃすんなよ。やりずれぇ」
「だって。すごく気持ちいいんだもーん」


…この野郎。
具合悪い時は俺が手を出さないって知ってて、この態度なのか?
あー、そうだよ。
出さねえよ。

俺の我慢を他所に、葉月が俺に身体を預けて寄りかかってきた。


「…えへ。重たい?」
「お前なぁ…」
「次は鎖骨の辺りをお願いしたいな」
「はいはい」
「ハイは一回」
「はいはいはい」

結局、葉月は俺の膝で寛いでいる。
野良猫を手名付けた気分だ。
いつもこんぐらい素直なら良いのに…って、俺もか。

まあ…捻くれ者同士、仲良くしよーぜ。

俺が無言で笑いながら上から見下ろすと、葉月が警戒したような顔をする。


「ねえ。…今日はしないよ?」
「わかってるって、これだけ」


俺は葉月のおでこにそっと口づけをした。
葉月は照れたのを隠すように口を尖らせて、おでこをさする。

可愛いな、本当に。
思わず笑みが溢れ、いつものように葉月の髪を優しく梳かした。


「早く元気になれよ…」


…またいつでも甘やかしてやるからさ。



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