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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第36章 佐助の策略〜真田幸村〜




「…もう一度聞くよ。好きなの?葉月さんのこと」
「〜〜〜…っ!あぁ、そうだよ。好きだよ。わりぃかよ!」

俺が叫ぶと、佐助の口の端が徐に上がる。
変に思って首を傾げると、後ろに気配を感じた。
勢いよく振り向くと、耳まで赤く染まった葉月が立ちすくんでいた。
まさか。
いや、まさかじゃなくて聞かれたな。
この反応は。

「……幸村、今のって…」
「…葉月、いや、これはだな」

俺が頭をかくと、葉月が顔を覆ってしゃがみ込んだ。
え?!泣いてる?
俺は慌てて近づく。

「あ、悪い。別にお前を困らせるつもりは…」
「嬉しい…。すごく嬉しい。どうしよう」
「葉月…」
「私、ずっと幸村に嫌われていると思ってた。だって、いつも怒ってるから」
「ごめんな」
「ううん、いいの。違うってわかったから」

そう言って葉月は涙目で微笑む。

やばいだろ。
そんな風に言われたら…。


俺は思わず抱きしめていた。
葉月の頭を無理矢理掴むと、力強くで。
優しくする余裕なんてなかった。

どんだけ可愛いんだよ。
ばかやろう。

「私も…一緒の気持ち」
「あぁ」
「ありがとう、幸村」

そう言われ、はっとした。
佐助に見られている。
そう思って周りを見回すと…誰も居なかった。

あいつって、こういう時も忍びなんだな。
本当に、なんなんだよ。
俺は思わず笑った。

「…どうしたの?」
「いや、もう店仕舞いするからさ。お前待ってろよ」
「うんっ」


…佐助、後で覚えてろよ。
たっぷり礼をしてやるからな。




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