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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第35章 好きだから・後編〜明智光秀〜



私は着物の襟を掴まれ、秀吉さんから剥がされる。

「葉月、これはどういうことだ」
後ろから聞こえる低い声がより一層低く響く。
心なしかドスが効いている気さえした。

「光秀…さん?」
「お前の想い人は俺のはずだろう?違ったか?」
「あ、これは…感謝を込めてのことで。決してやましいことではなく…」

私は光秀さんの登場に慌てる。
これは、どう釈明しても分が悪い。
誤解されても仕方ない状況である。
私は引き攣りながら薄ら笑いを浮かべるしかなかった。
光秀さんも私に冷えた笑みを返すと言った。

「そうか。では、じっくり話を聞いてやらねばな」
「う…。は、い」
「おい光秀、想い人とはなんだ?!そんな話聞いてないぞ」
「秀吉、今はお前に構っている時間はない。また日を改めろ。こいつは連れて行く」

…これは、もう私の想いも信用されてないかもしれないな。
私は引き摺られながらも落ち込み、項垂れた。

「今日は珍しいものが沢山見れたな…」
「あぁ」
「そうですね…」

残された家康、秀吉、三成はぽかんとしたまま二人を見送った。

冷静な光秀でも、あんな顔するんだな…。
三人はそう感じたのだった。





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