第2章 続・朝が来るまで待って〜明智光秀〜
「勿体ないな。家康は本当は優しいのに、みんなそれを知らないなんて」
「別に。他のやつにわかって貰いたいとも思わない」
その揺るぎない考えが家康らしい。
私は笑った。
「何?」
「ううん、私はそんな家康もらしくて良いなと思うよ」
「うちの母がね、たくさん友達がいる人の友達になるより、友達が少ない人の友達になる方が嬉しいって言ってたの。そう言ってた理由が今ならわかる。誰とでも仲良くならない家康と仲良くなれて、私嬉しいもん」
「本当にお母さんの話、好きだね」
「そうかも。ちょっとしつこかった?」
「ううん。あんたのお母さんの話、嫌いじゃない」
「そう?良かった」
私が笑い掛けると家康も柔らかく笑った。
その瞬間
…女子からの視線が更に突き刺さった。
う…私、今ので城下の友達いなくなったかも。