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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第22章 あなたが怒るわけ〜徳川家康〜



「なんで…?」
私は家康の優しい声につられて、話し出してしまう。

「なんで、そんなに怒るの?私のこと、そんなに嫌い?」
「私は…」

私は…家康のこと…


「私は…何?」
暫く私の言葉を待ってから、家康が聞いた。

「なんでもない」
「ちゃんと言ってよ」
「怒るから、ヤダ」
「怒ってないよ」
「怒ってるもん。家康、すぐ怒るもん」
私はちょっとムキになって言い返した。

私は、家康とも仲良くしたいのに、なんですぐ不機嫌になるの?
そうやって怒るの?
私には、わからない。
笑って欲しいのに。
もっと笑い合いたいのに。


「あんたは誰とでも仲が良いでしょ」
家康は不貞腐れながら呟く。
私は、家康が何を言おうとしているのかわからず、黙って見上げる。
家康は少し溜息をついた。
「…わからない?」
私は黙って頷いた。

家康は観念したようにちょっと息を吐くと、私をしっかりと見た。

「こっち、向いて欲しい。俺のことだけ、考えて欲しいんだよ」


「…なんで、そんなこと?」
私は思わず聞いていた。
それなら怒るのは逆効果な気がするけど。

「あんたはこんぐらいしないと、こっち、向かないでしょ」
「じゃなきゃ、すぐ他のやつに奪われる。ぼけーっとしてるんだから」

思わぬ発言に驚いてしまい、私は何も言えない。


「もっと、こっち見て」
「俺だけを見てよ」

「家康…」
反則だ。
そんなこと言うのは。


「あんたが好きなんだ」





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