第20章 罪な眼差し〜豊臣秀吉〜
眼差しが優しく柔らかい。
常に大丈夫だよと言って貰えている気がする…秀吉さんの目は。
それを誰にでもしてしまうのが困る所でもあり、愛すべき所だ。
私は秀吉さんの目が好きだ。
いつもじっと見つめてくれる、あの目。
私を散々勘違いさせた、罪な目だ。
私は秀吉さんに見られると、嬉しくもあり恥ずかしくもなる。
だって、すごく目を見て話してくるから。
「やだ!」
「やだって、なぁにが」
葉月は秀吉の腰に抱きつき、文句を言った。
「秀吉さん、無意識でしょ。その目をじっと見て話すの」
「俺、そんなことしてるか?」
「してるもん!」
葉月は秀吉の顔を掴み、顔を近づけて怒る。
「他の人にしたら、絶対許さないからねっ」
葉月にそう言われ、秀吉は心底驚いた。
褥を久しぶりに共にした、次の日の朝のことだった。