第19章 夢で逢えたら〜石田三成〜
「困りませんよ?」
下を向いたままの私に、三成くんが優しく私に話しかけてくれた。
「夢の私は、もしかしたら困っていたのかもしれませんが、あなたに口づけされたら私は嬉しいです」
優しい、三成くん。
私はほっとして微笑んだ。
そして……試したくなった。
私の中に何か熱いものが込み上げてくる。
「葉月様…?」
三成くんが黙る私を覗き込もうとした時、私は背を伸ばし三成くんの頬に唇を当てた。
三成くんは驚いて、本に躓き、その場に尻餅をついた。
私は四つん這いで三成くんに詰め寄る。
夢と同じ光景が広がっていた。
「いけません、人が来てしまいます」
三成くんが赤くなっている。
可愛くてちょっといじめたくなってしまう。
「大丈夫だよ」
「……ダメですよ…葉月様…こんな所で」
「なんで?したい」
私は聞き覚えのある台詞を繰り返した。
三成くんに詰め寄り、顔を近づける。
「お願い、三成くん……」
やっぱり困ってる。
夢と一緒だわ。
正夢を見たのかしら?
それとも、私の願望?
あの日から、こうしたかったの…私。
だから意識して話せなかったのね。
恋に落ちていたんだわ。
私は困る三成くんに無理矢理、唇を重ねた。
「ね、いいでしょ?…夢の続き、しよ」
三成くんの恥ずかしそうな表情にゾクッとした。
やばい、クセになりそう。
私は、そのまま三成くんを押し倒した……。