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イケメン戦国<私だけの小さな恋の話>

第19章 夢で逢えたら〜石田三成〜



あれから三成くんを目で追ってしまう。
見ると胸がときめいてしまう。
溜息までよく出るようになってしまった。
私は馬鹿なのかしら。
夢で見たからってこんなに意識しちゃって。
恥ずかしい…。
しかも、前みたいに気軽に話しかけられなくなってしまった。

「お前、何難しい顔してんだよ」
「政宗、話が違うよ」
「…何がだよ」
私は政宗を見つけると、頬を膨らませて文句を言った。
まさに八つ当たりである。
「夢のこと!全然忘れられない」
「なんだよ。俺に怒んなよ」
「怒ってない。困ってるの!」
「そもそもお前、どんな夢見たんだよ」
「え…」
それは恥ずかしくて言えない。
私の目が泳ぐと、政宗はピンと来たようだった。
「はーん。お前、なんかいやらしい夢でも見たんだろ」
「い、いやらしくなんかないよ」
「じゃあ、どんな?」
「口づけ、する夢だもん。チュッて」
その後、それ以上しそうになってたけど…目が覚めたし。
惜しかったな。
…惜しかった?!何を考えてるんだ、私は!
私は自分の頬を軽く叩いた。
「…おい、大丈夫かよ」
「だ、大丈夫です」
明らかに情緒不安定な私に政宗が驚く。
そして、にんまりと笑ったのだった。
「なるほど…ね」
全てを理解したかのように満足そうに微笑むと、私に耳打ちした。
「それ、三成だろ」
「……!」
私が目を見開いて政宗を見ると「やっぱりな」と言った。
「お前、あの日から三成とまともに喋ってねーから変だなとは思ってたんだ」
「…政宗って観察力凄いね」
私は心底感心して言った。
政宗はふっと笑うと「まあな」と言って私を見た。
「何?お前、夢のせいで意識しちゃって辛いってこと?」
「そう。目で追っちゃって…」
「お前それって…」
「何?」
「いや。まあ頑張れよ」
「何を?!」
「自分で確認してこいよ、なんでそんなに意識しちゃうのか」
「…出来ないよ。緊張して、側に行けない」
「そっかー」
そう言って政宗は黙ると、また楽しそうに口の端を上げ私に言った。
「俺に任せとけ」
「政宗に?」
「ま、大丈夫だからさ。ちょっと待ってろ」
そう言って去って行った。

政宗…楽しんでるね?
私は政宗の後ろ姿を目を細めて不満気に見送った。

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