第20章 拒否
大吾side
__
怜花の言葉で気持ちを直し、俺はキャッチャーとして構える
『3番キャッチャー、坂口君』
光「……気が散ってる?怜花に言われるまで気付かないなんて、大吾君らしくないからね」
大吾「!」
バッターの光が小さく話してくる
光「僕がピッチャーやってないのは、そんなに気にしなくて良いよ。別に君のせいじゃないから」
大吾「光…」
光「それに、例えピッチャーやってたとしても君とはもうバッテリーを組みたくないね。今の君のレベルじゃあね」
大吾「!!………俺のレベル…?」
苛立ちそうにそう告げられた言葉は、心に刺さった
光「……ま、大吾君なりに頑張ってるんだろうけど」
大吾「…」
貴「っ!」
パアアン!
審判「ファール!」
光「君が風林中で野球をやってるのはパパに聞いて知ってた。
入部して半年で商事により休部状態になったって同情したよ……ついてない人だなって」
大吾「っっごちゃごちゃ煩いな!試合中だよ!!」
光「でも、それを差し引いても大吾君には失望したよ。
何でこんな環境でママごと野球やってんのかなーって!」
貴「っ!」
大吾「!」
パアアン!
審判「セーフ!」
貴(……っ足が、痺れてきたっ)
大吾「…」
光「……この2年間、何をしてたんだい?大吾君。僕が歯を食い縛ってリハビリをして、必死で辻堂のレギュラーを取る間に…君はせっせとガールフレンドを増やす事に勤しんでわけだ」
大吾「…はぁ…?」
光「ガッカリしたよ。あの茂野吾郎の息子がこんな所に甘んじてるなんてさ、そりゃ怜花もさぞ不満だろうね」
大吾「!」
貴「…(…っやば、手が滑っ)」
光「っ!」
カンッッ!!
貴「!」
光はホームランを打ち、周りながら戻ってくる
ポンッ
光「なんちゃって、冗談冗談!ま、女子会頑張ってー」
大吾「…」
光「…」