第2章 壊れる音【土方裏夢】
少し乱暴に腰の動きを速くすると、の膣がぎゅうっと締まり、土方は本能のままに放出する。
絶頂の追い打ちを受けたの体が戦慄き、土方の肉棒から放出されるものを搾り取ように顫動を繰り返した。
「はっ、っ」
「んうぅっ、っ、あ」
絶頂の余韻に浸ったは、漸く噛みついていた口を離して至極心地よさそうに熱い息を漏らす。
「はあっ、あぁ……っ」
「すげぇ蕩けた顔になってんぞ。お前、煽るのうますぎんだろ」
「副、ちょ……んっ」
抜く前に、と土方はに深く口づけた。舌を絡ませて全身を密着させると、抑えきれない感情がむくむくと湧き上がってくるようで、終わりのない欲望に土方は頭の奥で自嘲する。
唇を離して見つめ合うと、幸福に満たされていくような気がして離れがたくなった。
「……愛してる」
理解できない状況に、は何も答えることが出来ずに静かに頷く。今はきっと、どんな訴えも土方には届かないと諦めてしまったのかもしれない。
土方のものがずるりと抜き取られる感覚に、は短く喘いだ。
「っ、んあっ」
「やっぱり、一回だけじゃ全然足りねぇな」
呆れたような土方の声に、は体を固くする。まだ行為は終わらないのかと、握りしめた手に力を込めた。
土方の手がの頬を滑った瞬間、二人の携帯電話が着信を告げる音を響かせる。
渋々と言った様子で相手を確認した土方は、ディスプレイに表示された名前を見て溜息をつくと自身をズボンの中に収めて電話を受けた。
「もしもし」
『トシ、今どこにいるんだ?』
「部屋だよ」
『悪いが今すぐ俺の部屋まで来てくれ。とっつぁんがさぁ、まぁた無理難題持って来てるから知恵を貸して欲しいんだよ』
近藤の頼みに、土方は仕方がないと肩を竦め、自分と同じように電話応対をしているをちらりと見る。
「わかったよ。すぐ行くから待ってろ」
溜息をついて通話を切ると、電話の相手に必死で謝罪するの頭の上にポンと手を置いた。
「うわっ、あっ、いえ、何でもないです、すみません。あの、吉村さ――」
「吉村か。ああ、俺だ」
から携帯電話を奪った土方は、当然のように電話の相手と会話を始める。は茫然とその姿を見上げた。