第2章 壊れる音【土方裏夢】
溢れているの粘液が、土方のものを奥へ誘うように締め付ける。まるで、早く中に欲しいと言わんばかりの動きに、どうにか息を吐いて耐えた。
暫く待つと放出欲が収まり、ほっと肩を落とす。
ゆっくりと動きを再開すると、待っていたかのようにの体がびくびくと震え、喘ぎ声を繰り返した。
「あっ、あ、や、っは、またきちゃ、うっ」
「一回イっとけ。動くぞ」
強引にの体を揺さぶると、悲鳴にも近い声を上げてぎゅっと中を締める。
何とか耐えた土方は、どうにか呼吸をしようと開いているの口に舌を差し入れた。舌を絡め、全身を密着させると、一層快感が高まる。
達したばかりのの体は鳥肌が立っていて、苦しそうに震えていた。
土方は、沖田のように加虐趣味があるわけではなかったが、自分の体の下で身動きも取れずにいるの姿は、征服欲を刺激するには十分だったようで、挿入したままの物が放出の時を待つように膨張する。
「んっ、は、、俺もイく――っ」
「あっ、あっっ!!」
土方が最奥をぐりぐりと突き上げて吐精すると、は全身を強張らせた。自分の意志とは反対に、の中は吐き出されたものを吸い上げようとするように蠢く。
視界が一瞬真っ白になった土方は、意識を失うような感覚の後、我に返った。
高揚感と満足感で全身が満たされていく。
「、愛してる」
口づけて、ずるりと自身を抜き取ると、の蜜口から収まりきらなかった物が溢れてシーツを汚した。
朦朧とする意識の中、は必死で今の状況を考える。
(避妊、してない……そうだ、病院行かなきゃ。確か、七十二時間以内……)
思ったより冷静に判断している自分に驚きつつ、は少しだけ体を動かした。
(もう大分体は動く。でもきっと)
思考を巡らせていると、するりと頬を撫でられ、は体を震わせる。
「大丈夫か。イったの、初めてだったんだろ?」
まるで壊れ物に触れるような指先に、は唇を引き結んで頷いた。
再び恐怖が体を支配する。
「あ、の……」
「何だ?」
「いえ、何でも、ないです…」
目を逸らしたをどう受け取ったのか、土方はふっと笑みをこぼした。