第2章 壊れる音【土方裏夢】
「で、そいつには中出しされたのか?」
「な、え?」
問われている意味が解らず、は不安げに土方を見上げる。その姿に、土方は堪らずくすりと笑った。
「そいつとする時は、ちゃんと避妊してたか教えてくれ」
「あ…は、い」
「最後にしたのは?」
次々とされる質問に、少しだけ頭が覚醒していく。冷静に判断しようと浅く深呼吸をしたは、極力今の状況を意識しないように思考を巡らせる。
「半年、くらい前です。でも、もうその人とは…」
「別れたのか」
「はい。――んっ、あっっ!」
軽く中を突かれて、は思わず喘いだ。意識してしまうと、また頭がぼんやりとして、行為に溺れようとしてしまう。
(なんで、こんなっ)
行為で快感を得た事など無かったのに、と頭の奥がぎゅっと締まるような痛みが走った。
それと同時に、全身の毛穴が開くような快感に襲われる。
「ひっ、いっ、ああぁぁっ」
体の中に挿入されている物が奥を突いたのだと理解した頃には、もう手遅れだった。
腰を掴まれ、何度も体を揺さぶられる。
「っあ、は、安心しろ、目一杯中に出して、死ぬほど気持ち良くしてやる。だから、全部忘れて俺だけを感じてろ」
「んっ、あ、あんっ、あんっ」
「すげぇ声だな。お前が感じやすいのか、それとも……俺たちの相性がよっぽど良いのか」
きつく目を閉じて堪えようとするに口づけた土方は、腰の動きに合わせてぷるぷると揺れるの胸を掴んで少し強めに握った。
それだけでも、がびくりと震え、ますます気を良くした土方は腰の動きを止める。
「んあっ、はっ…」
呼吸をするだけでも精いっぱいなのか、は肩で息をしながら虚ろな目でどこかを見ていた。
また少しの刺激を与えれば限界が来るだろうと、土方はの体を胸から腰へと撫で擦る。下腹部に手を置くと、が僅かに反応し、中に入っている土方のものを刺激した。
(薬が効いてるにしても、良い反応だな。本当に、相性が良いのかもな)
見下ろすの体は、汗をかいてしっとりと濡れている。吸い付いてくるような肌に、頭の奥が痺れて、理性も何もかも手放してしまいたくなった。
(マズいな…うっかりすると、すぐにイきそうだ)