第2章 壊れる音【土方裏夢】
「あ、……」
が答えようとすると、ぐいと顎を持ち上げられ、また口づけられる。
「んっ、ふうっ」
漏れ出た甘い吐息に、は体を震わせた。
土方の唇が触れる度に、体が熱くなる。
もっと触れたい。触れて欲しいと思ってしまう。
それは、かつて恋人に感じていた思いと同じで、はぼんやりとする頭で考えた。
(私は、副長が好き……だから、こんなに気持ちがいいの?)
の体から抵抗する気力が失われていき、それを感じ取った土方は重ねた唇を離す。
すっかり蕩けたの表情に、ふっと笑うと首筋から鎖骨までをゆっくり撫でた。
「あっ、ん……」
「ずっと、お前とこうしたかった」
の襦袢の腰紐を外し、素肌を露わにする。下着の上からでもわかる形の良い胸の輪郭をなぞると、が眉を寄せ、息を漏らした。
「何だよ、もう感じたのか?」
見た事が無いほど優しく微笑む土方に、は少し覚醒する。
抵抗しなければ後悔すると、動かない体に言い聞かせた。
「んっ、あ、やめ……て」
どうにか絞り出した声に、土方の目が細められる。
瞬間的に、は体を強張らせた。向けられた感情は、間違いなく怒りだ。
(恐い。いやだ、逃げなきゃ……違う、私は、この人が)
混乱していく思考に、は泣き出しそうになるのを堪える。
その表情が、一層土方を欲情させた。
「堪らねぇな、その顔。泣くまで犯したくなる」
「いっ、あ、っ」
「冗談だよ、んな怯えんな。安心しろ、たっぷり気持ち良くしてやるから」
の背中に手を回した土方は、素肌を撫でさするとブラジャーのホックに指をかけて器用に外す。
浮いたブラジャーをわざと口に挟んでずり上げ、現れた胸の先端を指で摘まんだ。
「ひっ……!」
「敏感だな。すっかり勃って、触ってほしそうにしてるぜ」
「や、あっ」
の反応を楽しむように、きつく摘まんだり押しつぶしたりを繰り返す。
くにくにと弄られる度に、が短く息を漏らし、瞳をうっすらと涙の膜が覆った。
(だめ、無理、やだ、触らないでほしいのに、気持ち良くなってくる)
じわりと体の奥にこもった熱が、の秘裂を潤ませる。
「なんっ、で…?」