第6章 晴れのち嘘
朝の光。
甘い肌の香り。
綺麗な寝顔。
その全てが私にとっては眩しくて仕方がない。
月みたいに優しくて、
星みたいに尊くて、
太陽みたいに眩くて、
空みたいな人。
離したくない。
コンコンと扉を叩く音で、完全に覚醒した頭で乱数くんかな?と、抱きしめてくれたままの腕を名残り惜しさを残してすり抜けた。
はい。と扉を開けると
やはり乱数くん。それと朝食の時間だと急かす帝統くん。
『おはようございます。』
「ルカちゃん、おっはよー!!
ねぇねぇ!幻太郎とは上手くいったの??」
ワクワクしたような表情で乱数くんは問いかけた。
すると、いつの間にか起きていた幻太郎が、後ろから
何のことでしょう?ととぼける。
「えー!!付き合ったんじゃないの?」
「え!?お前ら付き合ってんのか!?」
帝統くんは鈍感を拗らしていた。
「はて?某達はただの友達ですが?」
あ、これ、からかってる時の顔だ。
乗っかろうと自分も参戦する。
『はい。皆でどこ行こうかって話して、寝落ちしちゃいましたけどね。
2人が飲みに行ってから、私たちはカラオケで大盛り上がりしてました。』
「えー!!そうだったのー!?」
「『ま、嘘ですけどね。』」
「なーんだ!うそかー!え!?ということはどういうこと?
そういうことだよね??」
少し混乱してる乱数くんに
『お陰様で。』
と笑顔を見せる。
「けどよー、あの息の合いっぷり。
先が思いやられるぜ。」
「はて、なんのことやら?」
そういうとこだよ!とムキー!と効果音がつきそうな怒り方をする帝統くんに
心の中でドンマイと声をかける。
そこから、朝食を食べながら
どこに行くかと相談開始だ。
田舎だしなー。何もないんだよなー。
と考えながら、
唯一ここは?と提案したのが
牧場だ。
肌寒い中どうかとは思うが、
そこのソフトクリームは
この世のものとは思えないほどに
美味しい。
その言葉に
食べ物のことに目を輝かせた帝統くん。
それを見た2人はじゃぁ、そこに行こうと即決。